Tuesday, February 07, 2006
au LISMO
au が新しい音楽配信 LISMO (Listen Mobile Service) を開始した。
これまで音楽配信に関しては、アップルの一人勝ちであったわけだが、アップルの唯一の弱点はコンピュータを前提としたサービスであることであると考えていたので、携帯電話を使ったサービスは脅威になるかもしれないと考えていた。しかし、LISMO サービスを詳細を確認してみたところ、まだ当分の間アップルの優位性は続くと感じた。理由は簡単なことで、LISMO で提供される au Music Port というソフトウェアが Windows しかサポートしていないからである。
前述の通り、アップルの iTunes Music Store はコンピュータを前提としている。しかし、コンピュータの基本となるオペレーティングシステム(OS)は超越したサービスを提供している。ここがアップルの強みである。Steve Jobs がマイクロソフトも音楽配信市場に進出してくるだろうと予想しているが、マイクロソフトは当然のことながら Windows を前提としたサービスとなるだろう。オペレーティングシステムを超越したサービスはアップルにしか実現できないのである。
しかし、アップル自身もサービスがコンピュータを前提としていることがアキレス腱であることは理解していると思う。それを理解しているからこそ、以前からアップル自身がMVNO(仮想移動体サービス事業者)として携帯電話事業に乗り出すという噂が消えないのだと思う。
アップルは iTunes(ソフトウェア)を無償で提供開始してから、iPod(ハードウェア)を発表し、iTunes Music Store というサービスを開始するために着々と計画を進めてきた。アップルはすでにサービス形態を確立してしまっているので、次のステップへの移行は簡単であろう。というわけで、まだ当分の間、アップルの iTunes Music Store の優位性は続くと考えるのである。