Tuesday, January 03, 2006

企画モノ

 
最近、テレビの流れているCDの新譜のCMを見ていると、CDの中身自体は同じにもかかわらず、通常版(CDのみ)、DVD付き限定パッケージなどといったさまざまな企画モノが用意されていることを目にする。

CD自体の中身が同じでありながら、さまざまなパッケージを用意するというレコード会社の企画のセンスのなさに辟易する。これではCDの売上が下がるのは当然だということがなぜわからないのか理解できない。

さまざまなパッケージを用意するということは、一見購入者のさまざまな購入欲求に対応し、かゆいところに手が届く素晴らしい企画のように思える。しかし、さまざまなパッケージを用意するということは、言い換えればそれだけコストが余計にかかるということである。また、購入者が複数用意されたどの製品を買うかを予想することは非常に難しいので、結果的にすべてのパッケージをある程度余裕を持たせて生産することになり、ここでも不必要なコストを生み出してしまう。

購入者のニーズが多岐に渡り、しぼりきれないのであれば、むしろ用意する製品の数は少なければ少ない方が良い。アップルの iPod の例を見れば、一目瞭然のことだと思う。

私の世界で一番嫌いなレコード会社が新人グループのデビューCDを大々的にプロモーションしている。なぜ海のものとも山のものともわからない新人グループのために3種類のパッケージを用意するのか理解できなかったが、このグループが日本レコード大賞の新人賞を獲得したところで、このレコード会社がどのようなプロモーション活動を考えていたか理解できたように思う。

レコード会社主導で企画モノのCDを制作し続け、消費者のことを考えず、自分たちの既得権のみを叫ぶ業界団体に牛耳られている限り、日本の音楽業界の本当の発展はあり得ない。
 

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