Monday, October 24, 2005

三浦 哲郎

 
中学1年の国語の教科書に三浦 哲郎が書いた笹舟日記の「春は夜汽車の窓から」という作品があった。
非常に短い文章なのだが、とても印象に残った。

その後、機会があるごとに氏の作品は読んでいたのだが、数年前に新潮社で働く知人にお願いして「三浦 哲郎自選全集」(全13巻)を社員割引で購入してもらった。(残念ながら、第6巻のみ売り切れていた)

非常に淡々とした文章を書き、余計な装飾を極力避けた短編が得意な作家なのだが、全体の構成が絶品で、どの作品も読み終えた後に必ず余韻が残る。遅筆なため、小説の最初の1行をどう書き出すかを悩み続けた話などを読むと、作家という仕事も本当に大変なのだと思う。

全集を読んで再認識したが、三浦 哲郎は日本でもっとも美しい文章を書く作家だと思う。
 

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