Thursday, September 08, 2005
セキュアCD
昨日発売になった Paul McCartney のアルバムを買いにCDショップへ行った。
CDを手に取ってビックリ。セキュアCDという代物だとのこと。
セキュアCDとは、悪名高きCCCDと同じように、PCでの再生に制限を設ける仕組みである。
(追記:もう少し詳しく調べてみたら、セキュアCDも実質的にCCCDだということがわかった。他のレーベルがCCCDからの撤退を表明している関係上、東芝EMIはセキュアCDと名前だけ変えて、なんとかごまかそうとしたということなのだろうか。なんと往生際の悪いことか...。)
CCCDはPCで再生するとドライブが壊れるかもしれないが、保証しないというメーカー主導の高飛車なもの。セキュアCDが素晴らしいのは、PCでの再生が可能となっているため、一見CCCDより良心的のように見えるところ。しかし、サポートされているのは Windows XP がインストールされているPCのみ。つまり、Macintosh ユーザは切り捨てられているわけである。
先日発売された The Rolling Stones のニューアルバムもセキュアCDフォーマットなのだが、The Rolling Stones の場合、Macintosh ユーザに逃げ道が用意されていた。iTunes Music Store で購入することができる。
一方、Paul McCartney(というか、The Beatles の楽曲を管理している Apple Corps Ltd.)はアップル (Apple Computer, Inc.) とは犬猿の仲で、iTMS では The Beatles 関連の曲は一切購入することができない。
極論すれば、東芝EMI(Paul McCartney のアルバムの日本での発売元)は、Macintosh ユーザは Paul McCartney のアルバムを聴かなくて良いと言っているのと同じである。
2年前に The Beatles の Let It Be... Naked がリリースされた時、客がCCCDではない輸入盤に流れてしまうと危機感を抱いた東芝EMIは日本での発売を何日か前倒しにして対抗したが、Amazon では輸入盤の方がチャートの上になるという現象が発生した。
にもかかわらず、東芝EMIはCCCDというCDもどきの「欠陥」フォーマット(CCCDには見慣れた compact disc audio というロゴを入れることができない。業界で正式に認められたフォーマットではないからである)の製品を出荷しているだけではなく、今度は Macintosh ユーザを無視するという暴挙に出た。
そっちがその気なら、こっちにも考えがあると、Amazon にアクセスしてみると、今回も米国からの輸入盤の方が売れ行きが良いようである。同じような考えの人が多数いて本当に安心した。
セキュアCDなんてフォーマットをサポートしなければ日本の売上になったものをみすみす米国に献上してしまう東芝EMI。馬鹿なことをやるにも限度がある。この会社は、いつになったら前回の失敗を学習できるのであろうか。ユーザから完全にそっぽを向かれてしまうことないように、会社としてもう少し真剣に考えた方が良いと思う。