Thursday, July 14, 2005
チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」(その2)
勢いづいてしまったチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」で、聴いてみたいと思っていたカラヤン指揮の1976年盤、1984年盤も購入した。このうち、1984年盤のみオーケストラはウィーンフィルとなっている。
ネットで調べてみると、カラヤンが指揮する悲愴は1984年盤がベストという書き込みを多く見るが、個人的にはカラヤン自身も絶好調で、ベルリンフィルとの関係も良かったと言われる1971年盤または1976年盤の方が良い演奏だと思う。1984年盤はカラヤン自身が最後に録音した演奏のためか、1971年盤、1976年盤と比べると、こじんまりしているという印象を受ける。「老練」という言葉がぴったりの演奏だと感じる。
1971年と1976年の演奏に基本的な違いはなく、会場(イエス・キリスト教会とベルリンフィルハーモニーホール)、レコード会社(英EMIと独グラモフォン)の録音当時の技術ならびにCD作成のリマスター技術が違いとして現れているのだと思う。
好き嫌いが大きく分かれるカラヤンですが、強者揃いのベルリンフィルをこれだけドライブできるというのはすごい才能だと改めて感心します。そのベルリンフィルのメンバーのうち、コンサートマスターを含めた10名程度が、昨年母校獨協大学でのOB向けのイベントで、学生向けにワークショップをしたり、無料で演奏してくれた(学校はお金を払ったのかもしれないが、参加者は1円も払っていない)ということは、本当に信じられないくらい素晴らしいことだったと思う。
最後に、カラヤンに関するジョークを...。
ある夜、バーンスタインは夢をみた。神が降りてきて「バーンスタインよ、あなたは今では、世界最高の指揮者だ」と。この話を聞いたカラヤン、しばしの沈黙ののち「私は、そのようなことを言った覚えはない」。